【2026-04-21】知らないと損する在職老齢年金の新常識

「60歳を超えて働き続けながら年金ももらいたい。でも、働きすぎると年金が減るって聞いて……」そんな不安を抱えていませんか?実は2026年4月から、在職老齢年金の支給停止基準額が大幅に引き上げられました。改正の内容を正しく理解すれば、手取りを年間数十万円単位で増やせる可能性があります。整理すれば、不安より安心が先に来ます。

在職老齢年金とは?知らないと損する制度の仕組み

2026年4月改正で何が変わったか

在職老齢年金(ざいしょくろうれいねんきん)とは、厚生年金保険に加入しながら老齢厚生年金を受け取る場合に、「総報酬月額相当額(給与+賞与の月換算)」と「基本月額(受け取る年金の月額)」の合計が一定の基準額を超えると、超えた分の半額が年金から支給停止になる制度です。

2025年に成立した年金制度改正法により、2026年4月から支給停止の基準額が大幅引き上げられました。

  • 改正前(2025年度まで):支給停止調整額 51万円/月
  • 改正後(2026年4月〜):新たな固定基準額 62万円(賃金スライド適用後の2026年度の実際適用額は65万円

計算方式は変わらず、「(基本月額 + 総報酬月額相当額 - 支給停止調整額)× 1/2 = 停止年金月額」です。合計65万円以下なら年金は全額受給となります。

具体的な例で見てみましょう。

【例:月給58万円、年金月額10万円の方】
合計68万円
・改正前(51万円基準):68−51=17万円超過 → 停止月8.5万円
・改正後(65万円基準):68−65=3万円超過 → 停止月1.5万円
→ 差饽7万円/月(年84万円)の改善

よくある誤解と、多くの方が陥る失敗パターン

「在職老齢年金のことは知っている。働きすぎると年金が減るから、あえて年収を抑えている」

こうした行動を取っている方が実際に多くいます。しかし、2026年4月からは実際の基準額が65万円に大幅引き上がり、改正前より多く働いても損をしないケースが大幅に増えました。収入を抑えることで、かえって生涯収入を減らしてしまっている可能性があります。

また、「年金は65歳になったら自動的にもらえる」と思っている方も多くいますが、在職中の場合は日本年金機構への請求手続きが必要です。請求を忘れると、もらえるはずの年金を受け取れないまま時間が過ぎてしまいます。

ゴール起点で考える、在職中の年金との付き合い方

「いつまで・いくら働くか」を先に決めることが大切

FPとしての知見をもとにお伝えすると、在職老齢年金の問題は「年金を取るか、仕事を取るか」の二択ではありません。お金は手段であり、目的ではありません。大切なのは、まずゴールを決めることです。

  • 「65歳まで今の仕事を続けたい」
  • 「67歳まで働いて、そこから年金を繰り下げて受け取りたい」
  • 「63歳からパートに切り替えて、年金も受け取りたい」

このような「いつ・どのように収入を切り替えるか」のロードマップを先に描いた上で、在職老齢年金の基準額と照らし合わせて計算することが、本当の意味での「損をしない選択」につながります。「何のために・いつ・いくら必要か」を整理することで、制度の活用方針が見えてきます。

今すぐできる3つのアクション

① 基本月額(年金の月額見込み額)を確認する
年金事務所または「ねんきんネット」(日本年金機構の公式サービス)で、自分の年金見込月額を確認しましょう。「ねんきん定期便」にも記載されています。

② 総報酬月額相当額を計算する
月給 +(直近1年の賞与 ÷ 12)で算出します。給与明細と源況徴収票があれば計算できます。

③ ①+②の合計が65万円を超えるか確認する
超える場合は、繰下げ受給(年金の受け取り開始を遅らせる選択肢)との比較検討を行いましょう。

ケース別シミュレーション:自分に近い例で確認しよう

4つのパターンで見る、改正の影響

【ケースA:63歳・月給40万円・年金月額8万円の方】
合計48万円
・改正前(51万円基準):48 < 51 → 年金全額受給(停止なし)
・改正後(65万円基準):48 < 65 → 年金全額受給(停止なし)
→ この方は改正前からぜん全額受給だったため、改正の直接的な恐恵はない。月給が上がり65万円近くになるまでは安心して働ける

【ケースB:65歳・月給52万円・年金月額13丧円の方】
合計65万円
・改正前(51万円基準):65−51=14万円超過 → 停止7万円/月
・改正後(65万円基準):65=65 → 年金全額受給(停止なし)
7万円/月(年84万円)の改善

【ケースC:65歳・月給60万円・年金月額15万円の方】
合計75万円
・改正前(51万円基準):75−51=24万円超過 → 停止12万円/月
・改正後(65万円基準):75−65=10万円超過 → 停止5万円/月
7万円/月(年84万円)の改善

【ケースD:60歳・月給70万円・年金月額10万円の方】
合計80万円
・改正前(51万円基準):80−51=29万円超過 → 停止14.5万円/月
・改正後(65万円基準):80−65=15万円超過 → 停止7.5万円/月
7万円/月(年84万円)の改善
→ それでも年金が大部分停止される場合は、完全引退後に增額した年金を受け取る繰下げ受給の活用も検討しましょう。65歳かと70歳まで繰り下げると42%増額、6 5歳から75歳まで繰り下げると84%増額になります(0.7% × 月数)

ここで一つ重要な注意点があります。在職老齢年金によって停止されていた年金部分には、繰下げ増額が適用されません。繰下げの投賞戦略を取る場合は、開始時期や停止額の試算を含めてFPに相談することをおすすめします。

FPや専門家に相談するタイミング

以下のような状況では、個別の数字での試算が必要です。

  • 定年延長・再雇用・パートへの移行など、雇用形態が変わるとき
  • 繰上げ受給・繰下げ受給のどちらが有利か迷っているとき
  • 配偶者の収入・扶養の問題が絡んでくるとき
  • 退職後の収入計画(年金+貯蓄の取り崩し)を設計したいとき

「自分の数字を一度整理してみたい」という段階でも、FPへの相談は有効です。商品を売るためではなく、あなたのゴールから逆算したアドバイスをもらえる独立系のFPや報酬体系が透明な相談窓口を選ぶことをおすすめします。

まとめ:整理すれば、不安より安心が先に来る

2026年4月から在職老齢年金の実際の支給停止基準額が65万円に大幅引き上げられ(改正前の2025年度は51万円)、従来より大きな担上個作用が期待できます。

まず取り組むべき3点を整理します。

  1. ねんきんネットで自分の「基本月額(年金月額見込み)」を確認する
  2. 給与明細から「総報酬月額相当額」を計算し、合計65万円を超えるか確認する
  3. 超える場合は繰下げ受給との比較検討を行う(ただし在職老齢年金で停止分には繰下げ増額は適用されない点に注意)

まずやること:ねんきんネットにログインして、受け取れる年金額の見込みを確認することから始めましょう。数字を整理すれば、不安より安心が先に来ます。


💬「お金のことは、商品を買う前にゴールを整理することが大切です。まず、自分がどう生きたいかを書き出すことから始めましょう。」


※本記事の情報は2026年4月時点のものです。税制・制度は変更される場合があります。個別の判断については、専門家へのご相談をおすすめします。

コメントを残す